【VGC2019 ウルトラ】金髪/剃髪グラネクロ

 お久しぶりです。

 3月末に、私の所属するポケモンサークルの追いコンで久しぶりにVGC2019ルールで遊ぶ機会があった。その際にそういえばこの構築の記事emolgame(故)に載せてもらったな~と思いながら調べたところ、2年の歳月が経過する間に記事が消滅していた。なんか寂しくなったので、当時のメモを元に内容を再現しつつJCS後に使っていた形も付け加えることにした。

 みんなも過去作ルール、やろう!

 

めんつこれ↓

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①そもそもこの構築何

・JCS2019にておつゆが使用し、Day1権利を獲得(金髪要素)


②構築経緯

 2019年4月のJCS予選などでレックウザ+ゼルネアスの構築が多く結果を残していたため、制圧力に優れるこの2匹に対して優位を取れる伝説枠を探すところから始めた。ここで飛行とフェアリーを両方半減できるソルガレオ及び日食ネクロズマに注目したのだが、ソルガレオは火力と耐久がやや物足りなく、日食ネクロズマは威嚇(特にガオガエン)を苦手としておりどちらも一長一短であった。威嚇をカバーする方法として耐久振りウォーグルと組み合わせることを思いつき、これを試してみたところネクロズマトリックルームとも噛み合い好感触だったので、この2匹を軸として残りのポケモンを決めることとした。

 日食ネクロズマが不利を取る伝説枠にカイオーガが挙げられる。これに対してはゲンシグラードンで天候を取ることで解決しようとした。ゲンシグラードンがトリル適性をもつのも大きな理由であった。ただしカイオーガレックウザにはゲンシグラードンだけでは根本的な解決にならないため、この2匹に対して行動ができるカプ・レヒレを4枠目に採用した。

 ここで問題になってくるのが、ゲンシグラードン+日食ネクロズマという組み合わせはルナアーラ月食ネクロズマに非常に弱いという点である。これらには一応ウォーグルが戦えなくはないが、数値的にも優れていないウォーグルだけにこれらの相手を任せるのは不安があるので、ガオガエンを構築に組み込みゴースト、エスパーの相手を任せられるようにした。

 また、相手のゲンシグラードンもめんどくさい。これは威嚇枠がガオガエンだけであるのが原因と考え、メガ枠も余っていたためボーマンダを最後の枠に入れることで構築のパワーを可能な限り引き上げようとした。これで6匹が確定した。

 

 それっぽく書いたが、実際のところどういう過程を経てこの形に辿り着いたかはあまり覚えていない。

 


③個別解説

 

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ゲンシグラードン
・性格:いじっぱり
・特性:ひでり→おわりのだいち
・実数値:183-247-180-x-142-109(S個体値29)
努力値:60-196-0-0-252-0
・持ち物:べにいろのたま
・わざ:だんがいのつるぎ/ほのおのパンチ/みがわり/まもる

HD:臆病ルナアーラムーンライトブラスター確定耐え、C116カプ・レヒレの非雨下でのねっとう確定耐え

S:同族-1

 

 ゲンシカイオーガからの天候奪取、および範囲攻撃での削りを担当する。ガンガンサイクルに参加する構築であり、威嚇を2匹採用しているため行動回数を稼げるようにDに厚く配分した。グラードンミラーのS関係が不毛なので、最遅グラードンの上を取りつつそうでないグラードンには確実にトリックルーム下で先制できるようS個体値29で使うことになった。

 

だんがいのつるぎ:最強の範囲攻撃。何回当たるかが勝敗に割と直結するので心臓に悪い。

ほのおのパンチ:ワイドガードをケアしつつゼルネアスやルナアーラに攻撃したい時やテッカグヤなど浮いている相手に撃つ。だんがいのつるぎを押している方が強い。

みがわり:カイオーガに対して天候を奪い、相手がひっこめるタイミングなどに残す。こちらのトリックルームやおいかぜをまもるやねこだましで凌ぎ切ろうとする相手にも刺さるし、そもそもこごえるかぜなどが良く飛んでくる環境だったので便利な技だった。

まもる:必要。

 

 

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日食ネクロズマ

・性格:いじっぱり

・特性:プリズムアーマー→ブレインフォース

実数値:193-222-147-106-129-116(日食)→193-233-117-154-117-168(ウルトラ)※C個体値0

努力値:164-196-0-0-0-148

持ち物:ウルトラネクロZ

わざ:メテオドライブ/フォトンゲイザー/トリックルーム/まもる

A:ウルトラバースト後A-1のときA>C(フォトンゲイザーの物理特殊が変わらない)

S:ウルトラバースト後最速100族、準速メガレックウザ抜き

 

 パーティーの軸となるポケモン。ウルトラバーストせずトリックルームをしつつ戦うプランと、ウルトラバーストして上から殴りにいくプランの2つが取れる。ウルトラバーストすることで火力、耐久、素早さ、タイプのすべてが変わるため相手の想定を崩しやすい。ジオコントロール後のゼルネアスに対してZを切って倒しに行く場面を想定し、物理のままゼルネアスを攻撃できるようにCは最低値を取った。

 

メテオドライブ:ゼルネアスやイベルタル、カプなどを攻撃できる汎用打点。ウルトラバーストすると一致技でなくなるので少し火力が下がる点に注意。

フォトンゲイザー:相手のグラードンカイオーガへの汎用打点となり、クロバットモロバレルを一撃で倒すことができる。ウルトラバースト後はZワザが使用できるようになり、レックウザなどを一撃で落とすときに撃つ。

トリックルーム:おいかぜやジオコントロール、相手の張るトリックルームへの切り返しに使う。味方のS関係がややこしいので注意。

まもる:必要。

 

 

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カプ・レヒレ

・性格:おだやか

・特性:ミストメイカ

・実数値:176-x-153-116-179-108

努力値:244-0-140-4-100-20

・持ち物:ウイのみ

・わざ:ムーンフォース/こごえるかぜ/いやしのはどう/くろいきり

HD:C187までのゼルネアスのジオコン後ムーンフォース確定耐え

S:先述のグラードン‐1

 

 最初はグラードンボーマンダレックウザに対して打点がないことを踏まえ、じゅうりょく+いばるでグラードンをメインプランとして勝つ構成を考えていたが、このプランがうまく通りにくいことや相手のしぜんのいかりがHP管理の上できついという点を踏まえ、いやしのはどうを搭載することにした。また威嚇の重ね掛けに対していばるで回答することができなくなったため、くろいきりで能力変化をリセットすることで解決した。持ち物もミストシードなども試したが、居座ってサポートをする上でHPが残るほうが強いため、ウイのみを持たせることになった。

 

ムーンフォース:グラードンからの打点が少ないボーマンダレックウザイベルタルに撃つ。しぜんのいかりでは落としきることができないため、ムーンフォース

こごえるかぜ:S操作。グラードンのみがわりなどと合わせて盤面を整えるのが強い。

いやしのはどう:対レックゼルネの際、日食ネクロズマに対して撃ち続けるだけで相手が詰んでくれる。グラードンウォーグルに撃ってHPを回復させるプランも取れ、HP管理が非常に楽になったため有利なマッチングの安定感が格段に上がった。

くろいきり:前述の通り相手のガオガエン投げなどに合わせて撃てると強い。ゼルネアスに対してはグラードンネクロズマの両方が有利なので無理に合わせに行く必要はないが、もちろんジオコントロールを切り返す手段として使うこともできる。

 

 

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ボーマンダ

・性格:おくびょう

・特性:いかく→スカイスキン

・実数値:175-x-150-140-142-184

努力値:36-0-0-0-252-220

・持ち物:ボーマンダナイト

・わざ:ハイパーボイス/りゅうせいぐん/おいかぜ/まもる

HD:C200カプ・テテフムーンフォース高乱数耐え

HB:A255メガレックウザの命の珠ガリョウテンセイ高乱数耐え

S:最速メガレックウザ抜き

 

 威嚇、ハイパーボイスでの削り、追い風による展開、流星群によるレックウザの処理が基本的な役割。基本的には初手でネクロズマと一緒に投げ、追い風とトリックルームのどちらで展開するか選ぶことになる。メガレックウザより速くかつ流星群を持っているボーマンダは想定から抜け落ちやすく、相手のレックウザを安全に処理することができるため相手の警戒が薄れる2サイクル目あたりから狙っていく。また、グラードンミラーでは積極的に選出し、ハイパーボイスで相手のグラードンを削っていく。

ハイパーボイス:相手のきあいのタスキを削ったり後続の圏内に入れるために撃つ。すてみタックルを切っている分処理速度は落ちるので、撃ち逃げしつつサイクルを回してダメージを蓄積させていく動かし方が基本。

りゅうせいぐん:レックウザに撃つ。無振りメガレックウザは高乱数で一撃で落とせるが、きあいのタスキや低乱数を引いた時のために先に削っておいてから撃つ方が精神衛生上良い。結局のところ、耐久にガン振りしたりチョッキ持ったりしたレックウザが増えたので、正直あまり刺さらなかった。

おいかぜ:トリックルームとおいかぜの両方で展開できる構築の強みを活かすために採用した。

まもる:結構必要。

 

 

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ウォーグル

・性格:いじっぱり

・特性:まけんき

・実数値:206-161-109-x-111-101

努力値:244-28-108-0-124-4

・持ち物:イアのみ

・わざ:ブレイブバード/ばかぢから/おいかぜ/まもる

HB:C207ルナアーラサイコショック確定2耐え

HD:C202ゲンシグラードンのふんか確定耐え

 

 ご自慢枠。日食ネクロズマウォーグルから組み始めたので最初から構築に入っていたが、想定よりグラゼルネやレックゼルネ系統が数を減らしたため選出率は控えめになった。グラードンネクロズマの2匹が強烈に相手のガオガエンなどの威嚇を誘うため、そこにウォーグルを刺すのが基本の選出パターンとなる。特にボーマンダガオガエンなど威嚇を複数枚入れている構築を相手にする際は、相手が威嚇を出せばウォーグルが暴れ、出さなければ相手の選出が大きく歪むため選出段階から猛威を振るう。地面無効枠として見ても悪くない性能をしており、トリルアタッカーにもなれるので構築との相性はかなり良かった。

 

ブレイブバード:一致打点。こちらのA+1、相手のB-1状態でほとんどのメガレックウザを一撃で倒すことができる。飛行打点であるため一貫しやすく、反動によって自らきのみを発動させるプレイングも可能。

ばかぢから:ガオガエンを一撃で処理するための技。ツンデツンデトゲデマルに撃つこともできる。反動を嫌う場合はやつあたりにするのもあり。

おいかぜ:ウォーグルがトリル下で暴れた後においかぜを押すと、引き続き上を取って暴れ続けることができる。ボーマンダを出さない場合でも追い風展開を選択できるのも強み。

まもる:ヘイトを集める割に結構すぐ死ぬので必要。

 

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ガオガエン

・性格:しんちょう

・特性:いかく

・実数値:200-136-111-x-154-84

努力値:236-4-4-0-236-28

・持ち物:ガオガエンZ

・技:フレアドライブ/DDラリアット/とんぼがえり/ねこだまし

HD:C183ゼルネアスの+2ムーンフォース確定耐え

S:最遅90族‐1かつ追い風状態で最速100族+1

 

 ごく普通のガオガエン。本構築においてはルナアーラの処理がかなりきつく、相手のネクロズマに対しても後手を取るときついのでその2匹を見るために入ってきた。これらを一撃で落とすためにガオガエンZで採用している。ネクロズマがウルトラネクロZを持っているので選出する際は基本2Z選出になるが、ネクロズマがZを消費しない試合がかなりあることに加え、ガオガエンもZを使わずとも活躍できる性能があるので持ち物が腐ることは少ない。困ったときに選出するとそれなりに活躍してくれる。

 

フレアドライブ:ゼルネアスやイベルタルに通る等倍打点。グラードンで天候を取ることでアタッカーとしての運用もできなくはない。

DDラリアット:ハイパーダーククラッシャーのベース。Zをゲンシカイオーガに撃つと半分以上入り、ガリョウテンセイを撃った後のメガレックウザに撃つと無振りなら高乱数で倒せる。相手の場にイベルタルがいると火力が上がる。

とんぼがえり:盤面維持能力。

ねこだまし:さすがに必要。


⑥選出や立ち回り

基本的な選出・立ち回りはある程度決めていたが、このルールでは多様なポケモンが採用され、同じ伝説の組み合わせでも構築の中身は様々なため、相手の6匹を見て柔軟に選出し立ち回ることが求められていた気がする。

 

パターン1

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いちばん多い。グラードン系統にはだいたいこれで出していた気がする。グラゼルネとかが相手の際はボーマンダウォーグルに変えたりする。

パターン2

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ルナ入りへの出し方の一例。重力催眠をしてくるという勘が働いたらレヒレを出す。

パターン3

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オーガ入りへの出し方。トリル見せた物理ネクロが急にバーストすると相手がたまげるので勝てる。

 

 他にもいろいろ決めてた気がします。

 

 

⑦差分

 JCS後に同様の構築を自分がレートなどで使用していたところ、思ったよりグラネクロが多く、ミラーが面倒くさい構成だったので苦労した。また、ルナアーラも個体数を増やしておりそちらに苦戦することも多かった。これらを踏まえ、ゴースト・エスパーからの攻撃に強く、なおかつ浮いているポケモンを探していたところ、バルジーナを発見した。これが思ったより強そうだったのでウォーグルの枠を差し替えることにした。

 

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バルジーナ

・性格:おだやか

・特性:ぼうじん

・実数値:217-63-139-x-146-101

努力値:252-0-108-x-140-4

・持ち物:ミストシード

・わざ:イカサマ/おいかぜ/てっぺき/はねやすめ

HD:182ムーンフォースをシード込み確定2耐え

HB:A255だんがいのつるぎ(ダブルダメージ)を15/16耐え

 

 ご自慢枠。剃髪要素。選出していく相手はルナアーラネクロズマの入っている構築である。ミストシード+てっぺきにより相手の伝説枠からの攻撃を無力化して詰ませるのが最も強い勝ち筋であるが、2017でよく見かけたバルジーナのように高耐久のおいかぜ要員として使っても強い。ミストシードを発動させるためにレヒレとセットで選出するのがベストだが、最悪ピン選出しても刺さっている相手には勝ててしまう。

 

イカサマ:メインの削り手段。仮想敵がエスパー・ゴースト・物理であるためよく刺さる。

おいかぜ:上からはねやすめを撃ちたいときに押す。もちろん味方の補助にもなる。もし詰ませ性能に特化するのであればまもるやバークアウトも選択肢になる。

てっぺき:相手のグラードンが詰む。本ルールでは伝説枠以外の火力が低い選出を割と頻繫にされるため、詰ませやすい印象だった。

はねやすめ:コンセプト上ないと話にならない。

 

 

バルジーナにした感想としては、不利~互角の相手の中に有利マッチに化けるものがいくつかできたので割と好感触というところ。一方で、ウォーグルを抜いたことで明らかに威嚇複数枚の構築と戦う際のプレイ負担が増えた。

 

⑧おわりに

楽しかったです。

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